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歯が欠けたときの応急処置:慌てず適切に対応するための完全ガイド

歯が欠けたときの応急処置:慌てず適切に対応するための完全ガイド

はじめに

硬いものを噛んだ瞬間、転倒して顔を打った瞬間、突然歯が欠けてしまう経験は誰にでも起こりうることです。歯が欠けると、痛みや見た目の問題だけでなく、どうすればいいのかパニックになってしまうこともあります。しかし、適切な応急処置を行うことで、歯を守り、その後の治療をスムーズに進めることができます。この記事では、歯が欠けた時の応急処置の方法、やってはいけないこと、そして歯科医院を受診するまでの注意点について詳しく解説します。いざという時のために、正しい知識を身につけておきましょう。

歯が欠ける原因

歯が欠ける原因は様々です。硬い食べ物を噛んだ時、スポーツや事故での外傷、虫歯により歯が弱くなっている状態での咀嚼、歯ぎしりや食いしばりによる慢性的な負担、古い詰め物や被せ物の劣化などが主な原因として挙げられます。

特に、神経を取った歯は栄養が届かなくなり脆くなっているため、欠けやすい状態です。また、加齢により歯のエナメル質が摩耗していることも、歯が欠けやすくなる要因です。

歯が欠けた時の緊急度の判断

歯が欠けた場合、すべてが同じ緊急度ではありません。状況に応じて対応を変える必要があります。

緊急度が高いケース

激しい痛みがある、大量に出血している、歯の根元から折れている、歯が完全に抜け落ちた、顔や顎が腫れている、口が開かない、または閉じられないといった症状がある場合は、すぐに歯科医院や救急外来を受診する必要があります。特に外傷により歯が抜け落ちた場合は、時間との勝負です。

比較的緊急度が低いケース

小さな欠けで痛みがない、詰め物や被せ物が取れただけで歯自体に問題がない、鋭利な部分はないが違和感があるといった場合は、比較的緊急度は低いですが、できるだけ早く歯科医院を受診すべきです。数日以内の受診を目指しましょう。

歯が欠けた時の応急処置

まずは落ち着く

パニックになると適切な判断ができません。深呼吸をして、落ち着いて状況を確認しましょう。鏡で口の中を見て、どこがどの程度欠けているか、出血はあるか、痛みの程度はどうかを確認します。

欠けた破片を保存する

欠けた歯の破片が見つかった場合は、必ず保存してください。場合によっては、破片を接着して元に戻せることもあります。破片は、水道水で軽く洗い流し、牛乳に浸して保管するか、湿らせたガーゼに包んで保管します。乾燥させないことが重要です。

抜け落ちた歯の場合は、歯の根の部分を素手で触らないようにしてください。根の表面には、歯を元に戻すために重要な組織が付着しているためです。歯の頭の部分を持ち、牛乳や生理食塩水に浸して保管します。水道水は浸透圧の関係で適していません。

口の中を清潔に保つ

優しく口をゆすぎ、食べかすや血液を洗い流します。強くゆすぐと出血が悪化することがあるため、注意してください。その後、清潔なガーゼを軽く当てて、出血を抑えます。

痛みへの対応

痛みがある場合は、市販の鎮痛剤を服用できます。ただし、アスピリンは血液を固まりにくくする作用があるため、出血がある場合は避けてください。イブプロフェンやアセトアミノフェンが適しています。

痛む部分に直接薬を塗ったり、当てたりすることは避けてください。粘膜を傷つける可能性があります。

冷やす

痛みや腫れがある場合は、頬の外側から冷やすことで症状を和らげることができます。保冷剤や氷をタオルで包んで、10分程度当てます。長時間の冷却は血行を悪くするため避けましょう。

鋭利な部分の保護

欠けた歯の断面が鋭利で、舌や頬を傷つけそうな場合は、歯科用ワックスやガムで一時的に覆うことができます。ただし、市販のガムは糖分が含まれているため、できれば砂糖不使用のものを選びましょう。薬局で販売されている歯科用の仮止め材を使用するのも一つの方法です。

食事の注意

歯科医院を受診するまでは、欠けた歯で噛まないよう注意してください。柔らかい食べ物を選び、欠けていない側で噛むようにします。熱いもの、冷たいもの、甘いもの、酸っぱいものなど、刺激の強い食べ物は避けましょう。神経が露出している場合、これらの刺激により強い痛みが生じることがあります。

やってはいけないこと

欠けた部分を自分で接着しようとする

市販の接着剤や瞬間接着剤を使って、欠けた破片を自分で接着することは絶対にやめてください。有害な化学物質が口腔内に残り、健康被害を引き起こす可能性があります。また、不適切な接着は、その後の適切な治療を困難にします。

欠けた部分を舌や指で触りすぎる

気になって舌で触ってしまいがちですが、細菌感染のリスクを高め、傷を悪化させる可能性があります。また、鋭利な部分で舌を傷つけることもあります。できるだけ触らないよう意識しましょう。

痛み止めを欠けた歯に直接塗る

鎮痛剤を直接歯や歯茎に塗ることは、粘膜を傷つけ、化学熱傷を引き起こす可能性があります。痛み止めは必ず飲み薬として服用してください。

アルコールでうがいをする

消毒のつもりでアルコールでうがいをすることは避けてください。強い刺激により痛みが悪化したり、組織を傷つけたりする可能性があります。うがいをする場合は、水かぬるま湯を使用します。

受診を先延ばしにする

痛みがないからといって放置すると、状態が悪化することがあります。欠けた部分から細菌が侵入し、虫歯や歯髄炎を引き起こすこともあります。できるだけ早く歯科医院を受診しましょう。

歯科医院での治療

歯が欠けた場合の治療法は、欠けた範囲や場所により異なります。小さな欠けであれば、コンポジットレジンという歯科用プラスチックで修復できます。これは1回の通院で完了し、歯の色に合わせて自然に仕上げることができます。

欠けた範囲が大きい場合は、詰め物や被せ物が必要になります。歯の神経まで達している場合は、根管治療が必要になることもあります。歯が根元から折れている場合は、残念ながら抜歯となることもあります。

治療方法や費用、期間については、歯科医師としっかり相談しましょう。複数の選択肢がある場合は、それぞれのメリットとデメリットを理解した上で決定することが大切です。

歯が欠けるのを予防する方法

定期的な歯科検診

虫歯や歯周病により歯が弱くなると、欠けやすくなります。定期的な歯科検診とクリーニングにより、歯の健康を維持しましょう。古い詰め物や被せ物の状態もチェックしてもらい、必要に応じて交換することで、突然外れたり割れたりするトラブルを防げます。

硬いものを噛まない

氷、硬いキャンディ、ナッツの殻、骨付き肉の骨など、極端に硬いものを噛むことは避けましょう。ペンや爪を噛む癖も、歯を傷める原因となります。

歯ぎしり・食いしばりへの対策

就寝中の歯ぎしりや、日中の食いしばりは、歯に大きな負担をかけます。歯科医院でマウスガードを作製してもらうことで、歯を保護できます。ストレス管理も、歯ぎしりや食いしばりの軽減に役立ちます。

スポーツ時のマウスガード

コンタクトスポーツや転倒の危険があるスポーツをする際は、マウスガードを装着しましょう。歯の外傷を大幅に減少させることができます。

まとめ

歯が欠けた時は、まず落ち着いて状況を確認し、適切な応急処置を行うことが重要です。欠けた破片は牛乳に浸して保存し、口の中を清潔に保ち、痛みがあれば適切な鎮痛剤を服用します。自分で接着しようとしたり、受診を先延ばしにしたりすることは避けましょう。たとえ小さな欠けでも、できるだけ早く歯科医院を受診することで、適切な治療を受け、歯を守ることができます。日頃から定期検診を受け、硬いものを避け、歯ぎしり対策を行うことで、歯が欠けるリスクを減らすことができます。いざという時のために、この記事の内容を覚えておき、大切な歯を守りましょう。

患者様に寄り添い、丁寧で優しいケアを大切にする、怖くない、痛くない歯科医院です。

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