「1日1回はフロス必須!」の理由:歯科医師が強調する歯間ケアの重要性

目次
はじめに
「毎日歯磨きをしているのに、むし歯や歯周病になってしまった」という経験はありませんか。実は、歯ブラシだけでは口の中の汚れの60パーセント程度しか除去できていません。残りの40パーセントは、歯と歯の間に残ったままなのです。この歯間の汚れを除去するために不可欠なのが、デンタルフロスです。世界中の歯科医師が「1日1回はフロスを使用すべき」と強調していますが、その理由をご存知でしょうか。この記事では、フロスがなぜ必須なのか、科学的根拠とともに詳しく解説していきます。
歯ブラシだけでは不十分な理由
歯間に届かない歯ブラシの毛
歯ブラシの毛は、どんなに細くても、歯と歯の間の狭い隙間には入り込めません。特に歯が密集している部分では、歯ブラシの毛先が全く届いていないのが現実です。
研究によると、歯ブラシだけの歯磨きでは、歯垢の除去率は58パーセントから62パーセント程度とされています。つまり、40パーセント近くの汚れが残ったままということです。
歯間は最もむし歯になりやすい場所
歯科医師の診療データによると、むし歯の約90パーセントは歯と歯の間から発生しています。これは、歯間が最も汚れが溜まりやすく、かつ清掃が難しい場所だからです。
歯の表面は唾液による自浄作用が働きやすいですが、歯間は唾液が届きにくく、細菌が繁殖しやすい環境になっています。
歯周病の原因も歯間に
歯周病も、歯と歯の間の歯周ポケットから始まることが多いです。歯間に残った歯垢が歯石になり、歯ぐきに炎症を起こします。
歯周病は、進行すると歯を失う原因となるだけでなく、全身の健康にも悪影響を及ぼすことが分かっています。心臓病、糖尿病、誤嚥性肺炎など、様々な疾患との関連が指摘されています。
フロスの効果を示す研究結果
プラーク除去率の向上
多くの研究が、フロスの効果を科学的に証明しています。歯ブラシだけの場合と、歯ブラシとフロスを併用した場合を比較した研究では、フロス使用により歯垢除去率が25パーセントから40パーセント向上することが示されています。
つまり、フロスを使うことで、除去率は60パーセントから90パーセント以上に跳ね上がるのです。
むし歯予防効果
長期的な追跡調査では、毎日フロスを使用している人は、使用していない人に比べて、歯間のむし歯発生率が40パーセント低いという結果が出ています。
特に子どもの頃からフロスの習慣がある人は、大人になってもむし歯が少ない傾向があります。
歯周病予防効果
歯周病に関する研究でも、フロスの効果は明らかです。毎日フロスを使用することで、歯肉炎の発生率が30パーセント以上減少し、歯周病の進行も遅らせることができます。
また、すでに軽度の歯肉炎がある場合でも、フロスを始めることで2週間程度で改善が見られることが多いです。
口臭予防効果
口臭の原因の多くは、歯間に残った食べかすや細菌です。フロスで歯間を清掃することで、口臭も大幅に軽減されます。
ある調査では、フロスを使用した後、75パーセントの人が口臭の改善を実感したと報告しています。
正しいフロスの使い方
適切な長さと持ち方
フロスは、40センチメートルから50センチメートル程度の長さに切り、両手の中指に巻きつけます。実際に歯に当てる部分は、2センチメートルから3センチメートル程度です。
親指と人差し指で、フロスをピンと張った状態で操作します。
歯間への入れ方
フロスを歯と歯の間にゆっくりと挿入します。この時、勢いよく入れると歯ぐきを傷つけるため、のこぎりを引くように左右に動かしながら、優しく入れていきます。
歯ぐきのラインまで到達したら、片方の歯の側面に沿わせて、上下に動かして汚れを除去します。同じ歯間でも、両側の歯をそれぞれ清掃することが重要です。
すべての歯間を清掃
前歯から奥歯まで、すべての歯間を清掃します。特に奥歯は忘れがちですが、最もむし歯になりやすい場所なので、念入りに行いましょう。
一つの歯間につき、新しい部分のフロスを使うことで、より衛生的に清掃できます。
出血への対処
初めてフロスを使う場合や、久しぶりに使う場合、歯ぐきから出血することがあります。これは、歯ぐきに炎症があるサインです。
継続して使用することで、1週間から2週間程度で出血は止まります。ただし、激しい痛みや大量の出血がある場合は、歯科医師に相談しましょう。
フロスの種類と選び方
ワックスタイプ
ワックスでコーティングされたフロスは、滑りが良く、歯間に入れやすいのが特徴です。初心者やフロス初心者におすすめです。
歯間が狭い人にも適しています。
ノンワックスタイプ
ワックスがないため、歯垢をより効果的に除去できるとされています。慣れている人や、歯間に余裕がある人に適しています。
テープタイプ
幅が広く平たい形状のフロスで、歯間が広めの人に適しています。歯ぐきへの当たりも柔らかいです。
フロスピック
持ち手がついたタイプで、使いやすく便利です。外出先での使用にも適していますが、経済性と環境への配慮から、糸タイプの方が推奨されることが多いです。
電動フロス
水流や振動で歯間を清掃する電動タイプもあります。手の不自由な人や、より効率的に清掃したい人に適しています。
フロスを習慣化するコツ
時間帯を決める
毎日同じ時間にフロスを使うことで、習慣化しやすくなります。多くの歯科医師が推奨するのは、就寝前です。就寝中は唾液の分泌が減少するため、寝る前に徹底的に清掃することが重要です。
場所を固定する
洗面所だけでなく、リビングでテレビを見ながら、お風呂に入りながらなど、自分がリラックスできる場所で行っても構いません。場所を固定することで、習慣化しやすくなります。
目立つ場所に置く
フロスを目立つ場所に置いておくことで、使い忘れを防げます。洗面所の鏡の前、ベッドサイド、リビングのテーブルなど、毎日目にする場所に置きましょう。
家族で励まし合う
家族でフロスの習慣を共有し、お互いに励まし合うことで、継続しやすくなります。子どもがいる家庭では、親が見本を見せることで、子どもも自然と習慣化します。
よくある質問と回答
朝と夜、どちらが良い?
理想的には朝晩両方行うことですが、時間がない場合は就寝前の1日1回で十分です。就寝中は細菌が繁殖しやすいため、寝る前の清掃が最も重要です。
歯ブラシの前?後?
歯科医師の意見は分かれますが、フロスを先に行う方が効果的という見解が主流です。フロスで歯間の汚れを浮かせてから歯ブラシで磨くことで、より徹底的に清掃できます。
痛い場合はどうすれば?
正しい使い方をしていれば、痛みはありません。痛みがある場合は、力の入れすぎか、歯ぐきに炎症があるか、むし歯がある可能性があります。
優しく使用しても痛みが続く場合は、歯科医師に相談しましょう。
歯間ブラシとの違いは?
歯間ブラシは、歯間に隙間がある人に適しています。フロスは、どんなに狭い歯間でも使用できます。
基本的にはフロスを使い、歯間が広い部分には歯間ブラシを併用するのが理想的です。
子どものフロス習慣
開始時期
子どもがフロスを始めるのは、隣り合う歯が接触し始めた時期が目安です。通常、2歳から3歳頃です。
最初は保護者が行い、徐々に自分でできるよう練習していきます。
子ども向けフロス
子ども用のフロスピックや、キャラクターがついたフロスなど、楽しく使える製品も多く販売されています。
習慣化のポイント
子どもにとってフロスは面倒な作業です。ゲーム感覚で取り入れたり、できたらシールを貼るなど、楽しい工夫をすることで習慣化しやすくなります。
フロスのコストパフォーマンス
経済的な予防法
フロスは、一つ数百円で購入でき、数か月使用できます。この小さな投資で、将来的に何万円、何十万円もかかるむし歯や歯周病の治療費を防げます。
予防にお金をかけることは、長期的には最も経済的な選択です。
時間の投資
フロスにかかる時間は、慣れれば2分から3分程度です。この短い時間の投資で、歯の健康を守り、将来の治療時間を大幅に削減できます。
まとめ
デンタルフロスは、歯ブラシだけでは除去できない歯間の汚れを取り除く、口腔ケアに不可欠なツールです。1日1回、できれば就寝前にすべての歯間を清掃することで、むし歯と歯周病のリスクを大幅に減らすことができます。
最初は面倒に感じるかもしれませんが、習慣化すれば苦になりません。正しい方法で継続的に使用することで、一生自分の歯で食べられる可能性が高まります。今日から、フロスを日常の習慣に取り入れてみませんか。あなたの歯の健康を守る、小さな習慣が大きな違いを生みます。
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