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泉南市ほほえみ歯科りんくう院のブログ

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誤嚥性肺炎を防ぐためのケア

誤嚥性肺炎を防ぐためのケア

はじめに

誤嚥性肺炎は、高齢者や嚥下機能の低下した方にとって深刻な健康問題の一つです。食べ物や飲み物、唾液などが気管に入り込むことで発症するこの疾患は、適切な予防策とケアによって多くの場合において防ぐことができます。本稿では、誤嚥性肺炎の基本的な理解から具体的な予防方法、日常生活におけるケアのポイントまで、包括的に解説いたします。

誤嚥性肺炎とは何か

誤嚥性肺炎は、本来であれば食道を通って胃に向かうはずの食べ物や飲み物、または口腔内の細菌を含んだ唾液などが、誤って気管や肺に入り込むことによって引き起こされる肺炎です。健康な人であれば、嚥下反射や咳反射によって異物の侵入を防ぐことができますが、加齢や疾患によってこれらの機能が低下すると、誤嚥のリスクが高まります。

特に注意が必要なのは、高齢者、脳血管疾患の既往がある方、認知症の方、神経筋疾患を患っている方などです。これらの方々は嚥下機能の低下により、日常的に誤嚥のリスクにさらされています。また、意識レベルの低下や薬剤の影響により、正常な嚥下機能が阻害されることもあります。

誤嚥を起こしやすい状況と要因

誤嚥が発生しやすい状況を理解することは、効果的な予防策を講じる上で不可欠です。まず、食事中の姿勢が重要な要因となります。背筋が伸びておらず、前かがみになったり、横になったままの状態で食事をすることは、誤嚥のリスクを大幅に高めます。また、急いで食べることや、一度に大量の食べ物を口に入れることも危険です。

食べ物の性状も重要な要因です。液体は最も誤嚥しやすく、特に水やお茶などのサラサラした飲み物は気管に入りやすい特徴があります。一方で、パンやクッキーなどの乾燥した食品も、口の中でバラバラになりやすく、誤嚥の原因となることがあります。

さらに、口腔内の状態も誤嚥に大きく影響します。口腔内が乾燥していると、食べ物がうまく飲み込めず、残留物が気管に入る可能性が高くなります。歯の状態が悪く、十分に咀嚼できない場合も同様のリスクがあります。

食事時の基本的なケア方法

誤嚥性肺炎を予防するための最も基本的で重要なケアは、適切な食事環境の整備です。まず、食事時の姿勢を正しく保つことが不可欠です。椅子に深く腰かけ、足裏全体を床につけ、背筋を伸ばした状態を維持します。ベッド上で食事をする場合は、上体を60度以上起こし、膝を軽く曲げた安定した姿勢を取ることが重要です。

食事のペースも重要な要素です。ゆっくりと時間をかけて食べることで、嚥下反射を適切に働かせることができます。一口の量は小さめにし、十分に咀嚼してから飲み込むよう心がけます。また、食事中は会話を控えめにし、食べることに集中することも大切です。

食べ物の温度にも注意が必要です。熱すぎるものは口腔内を火傷する可能性があり、冷たすぎるものは嚥下反射を鈍らせる可能性があります。人肌程度の適温で提供することが理想的です。

食材と調理方法の工夫

誤嚥を防ぐためには、食材の選択と調理方法に工夫を凝らすことが重要です。液体については、とろみ剤を使用してとろみをつけることで、誤嚥のリスクを大幅に減らすことができます。とろみの程度は、個人の嚥下機能に応じて調整する必要がありますが、一般的にはスプーンから滴り落ちる程度のとろみが適切とされています。

固形物については、軟らかく調理することが基本です。野菜は十分に煮込んで軟らかくし、肉や魚は細かく刻んだり、ミンチ状にしたりして、咀嚼しやすい形状にします。また、口の中でまとまりやすくするために、あんかけやソースを利用することも効果的です。

特に注意が必要な食材もあります。もち、こんにゃく、いか、たこなどの弾力のある食材や、ピーナッツ、ごまなどの小さくて硬い食材は誤嚥のリスクが高いため、避けるか、十分に軟らかく調理する必要があります。

口腔ケアの重要性

誤嚥性肺炎の予防において、口腔ケアは食事ケアと同様に重要な位置を占めます。口腔内の細菌が気管や肺に侵入することで肺炎を引き起こすため、口腔内を清潔に保つことが不可欠です。

日常的な口腔ケアでは、食後の歯磨きやうがいを徹底することが基本です。歯磨きが困難な場合は、口腔清拭用のスポンジブラシや湿らせたガーゼを使用して、歯や舌、口腔粘膜の清拭を行います。特に舌苔の除去は重要で、舌ブラシや柔らかい歯ブラシを使用して、優しく清拭します。

口腔内の乾燥も誤嚥のリスクを高めるため、適度な水分補給と唾液分泌の促進が重要です。糖分を含まないガムを噛んだり、レモンなどの酸味のあるものを少量摂取したりすることで、唾液分泌を促すことができます。

環境整備と介護者の役割

誤嚥を防ぐためには、食事環境の整備も重要な要素です。静かで落ち着いた環境で食事をすることで、集中して食べることができます。テレビや音楽などの刺激は最小限に抑え、食事に集中できる環境を作ります。

介護者の役割も極めて重要です。食事の際は必ず見守りを行い、誤嚥の兆候を早期に発見できるよう注意深く観察します。むせや咳、顔色の変化、呼吸の異常などの症状が見られた場合は、すぐに食事を中断し、適切な対応を取る必要があります。

また、介護者自身が正しい知識と技術を身につけることも重要です。嚥下機能の評価方法、適切な食事形態の選択、緊急時の対応方法などについて、専門職から指導を受けることが望ましいでしょう。

機能訓練とリハビリテーション

嚥下機能の維持・改善のためには、日常的な機能訓練も有効です。口腔機能を向上させるための訓練として、舌の運動、口唇の運動、頬の運動などがあります。これらの訓練は、言語聴覚士などの専門職の指導のもとで行うことが理想的です。

具体的な訓練方法としては、舌を前後左右に動かす運動、口を大きく開けたり閉めたりする運動、頬を膨らませたりへこませたりする運動などがあります。これらの訓練を継続することで、嚥下に関わる筋肉の機能を維持・改善することができます。

また、深呼吸や発声練習なども、誤嚥予防に効果的です。これらの活動は、呼吸器系の機能を向上させ、異物が気管に入った際の排出能力を高めることにつながります。

まとめ

誤嚥性肺炎の予防は、多角的なアプローチが必要な複雑な課題ですが、適切なケアによって十分に予防可能です。食事時の姿勢や環境の整備、食材や調理方法の工夫、口腔ケアの徹底、機能訓練の実施など、様々な要素を組み合わせた包括的なケアが重要です。

特に重要なのは、個人の状態に応じたオーダーメイドのケアプランを作成し、継続的に評価・改善していくことです。医師、看護師、言語聴覚士、管理栄養士などの多職種が連携し、本人や家族と協力しながら、最適なケアを提供することが求められます。

誤嚥性肺炎は重篤な合併症を引き起こす可能性のある疾患ですが、正しい知識と適切なケアによって、その多くは予防することができます。日常生活の中で小さな注意を積み重ねることで、安全で快適な食生活を維持し、生活の質を向上させることが可能なのです。

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