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泉南市ほほえみ歯科りんくう院のブログ

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定期健診はなぜ必要なのか?歯科医師が解説する重要性

定期健診はなぜ必要なのか?歯科医師が解説する重要性

はじめに

現代社会において、多くの人が忙しい日常生活に追われて、歯科の定期健診を後回しにしてしまう傾向があります。 「痛くなったら歯医者に行けばいい」という考えを持つ人もなかなかありません。歯科の定期健診は、全く歯の掃除以上の意味を持ち、口腔疾患の予防から全身の健康維持まで、重要な役割を果たしています。

歯科定期健診の基本概念

予防学の歯科医の理念

歯科の定期健診は、予防歯科医学の中核をなす概念です。従来の「治療中心の歯科医療」から「予防中心の歯科医療」へのパラダイムシフトにより、病気になってから治療するのではなく、病気を予防することの重要性が広く認識されるようになりました。

予防歯科医学では、一次予防(疾患の発生予防)、二次予防(早期発見・早期治療)、三次予防(疾患の進行抑制・再発防止)の3段階に分けて考えられています。定期健診は、これらすべての予防段階において重要な役割を担っています。

定期健診の構成要素

歯科の定期健診は、複数の要素から構成されています。まず、口腔内診査、虫歯、歯周病、口腔粘膜疾患などの有無を確認します。レントゲン検査により、目に見えない部分の病変も発見することができます。

プロフェッショナルクリーニング(PMTC:Professional Mechanical Tooth Cleaning)では、日常のブラッシングでは除去できないプラークや歯石を除去します。また、フロア塗布により歯質の強化を図ります。さらに、口腔衛生指導により、個人に適したセルフケア方法を指導します。

虫歯の早期発見と予防

初期虫歯の重要性

虫歯は、初期段階では初期症状はほとんどありません。 エナメル質の脱灰が始まっても、痛みや違和感を感じることは稀です。

初期虫歯の段階では、フッ素塗布やシーラント処置により、再石灰化を促進し、虫歯の進行を抑制することができます。また、食生活の改善や口腔衛生の向上により、虫歯のリスクを大幅に軽減させることも可能です。

隠れた虫歯の発見

日常生活では発見困難な虫歯も少なくありません。歯と歯の間の虫歯、詰め物の下の二次虫歯、歯根面虫歯などは、専門的な診察検討で発見が難しいです。

特に、レントゲン検査により発見される隣接面虫歯は、肉眼では確認できないことが多く、定期健診でよく起こります。

虫歯リスクの評価

定期健診では、個人の虫歯のリスクを評価し、それに応じた予防プログラムを提案します。 唾液検査により、唾液の質や量、口腔内細菌の状況を把握し、虫歯になりやすさを科学的に評価することができます。

リスクが高い患者には、より頻繁な健診間隔や手数料の増加、食生活指導の強化などのが行われます。この対策のような個別化されたアプローチにより、効果的な虫歯予防が実現されます。

歯周病の早期発見と管理

歯周病の特徴と進行

歯周病は「サイレントディジーズ(静かな病気)」と呼ばれるほど、初期段階では症状が少ない疾患です。歯肉の軽い炎症から徐々に、徐々に歯周組織の破壊が進行し、最終的には歯の敗北に至ります。

歯肉炎の段階では、適切な治療により完全に回復することが可能です。 しかし、歯周炎が進行すると、失われた歯周組織の完全な回復は困難になります。 そのため、早期発見・早期治療が最大限重要になります。

歯周病検査の重要性

定期健診では、歯周ポケットの深さ測定、歯肉の炎症状態の評価、歯の動揺度検査、レントゲンによる歯槽骨の状態確認などを行います。これらの検査により、歯周病の進行度を正確に把握することができます。

特に、歯周ポケットの測定は、歯周病の診断において最も重要な検査の一つです。 通常では1~3mmのポケットが、歯周病の進行により深くなります。4mm以上のポケットが存在する場合は、専門的な治療が必要となります。

全身疾患との関連

近年の研究により、歯周病と全身疾患との関連が明らかになりました。心疾患、糖尿病、早産・低体重児出産、誤嚥性肺炎、認知症などとの関連が報告されており、歯周病の管理は全身の健康管理の重要な要素となっています。

定期健診により歯周病を適切に管理することで、これらの全身疾患のリスクを軽減することが期待できます。 特に、糖尿病患者では歯周病の管理により血糖値の改善が認められることもあります。

口腔がんの早期発見

口腔がんの現状

口腔がんは、早期発見により予後が大幅に改善される疾患です。ステージIで発見された場合の5年生存率は90%以上ですが、ステージIVでは50%程度まで低下します。

口腔がんは、舌、歯肉、頬粘膜、口底、口唇など、口腔内の様々な部位に発生します。白板症や紅板症などの前癌病変も存在し、これらの早期発見・管理は重要です。

専門的な口腔内診査

歯科医師による定期的な口腔内検査により、口腔がんや前癌病変の早期発見が可能になります。

特に、喫煙や飲酒などの危険因子を持つ患者では、より注意深い観察が必要です。また、HPV感染との関連も指摘されており、若年者でも注意は禁物です。

プロフェッショナルクリーニングの効果

バイオフィルムの除去

日常のブラッシングでは除去困難なバイオフィルム(プラーク)を、専用の器具と技術で完全に除去します。

プロフェッショナルクリーニングでは、超音波スケーラー、エアフロー、ポリッシングなどの技術を用いて、これらの頑固な汚れを確実に除去します。 特に、歯と歯の間、歯と歯茎の境界部分など、セルフケアが難しい部位の清掃に効果的です。

歯石除去の重要性

歯石は、プラークが石灰化して硬くなったもので、ブラッシングでは除去できません。歯石の表面は粗造で、新たなプラークの付着を促進するため、定期的な除去が必要です。

歯肉縁上歯石だけでなく、歯周ポケット内の歯肉縁下歯石の除去も重要です。 歯肉縁下歯石は、歯周病の進行に直接関与するため、専門的な技術により確実に除去する必要があります。

個別化された口腔衛生指導

セルフケア技術の向上

定期健診では、個人の口腔状態に応じた効果的なセルフケア方法を指導します。歯ブラシの選択、ブラッシング技術、フロスや歯間ブラシの使用方法、マウスウォッシュの選択など、具体的で実践的な指導を行います。

プラークの染色により、普段のブラッシングで磨き残しが多い部位を解消し、重点的に清掃すべき箇所を明確にします。また、口腔内の状態変化に応じて、セルフケア方法を適宜修正していきます。

生活習慣の改善指導

口腔の健康は、食生活、喫煙、ストレス管理など、様々な生活習慣と密接に関連しています。 定期健診では、これらの生活習慣についても指導を行っており、口腔疾患のリスク軽減の軽減を図ります。

特に、糖分の摂取頻度や摂取方法、食間の時間、食後の口腔ケアなどについて、科学的根拠に基づいた指導を行います。

経済的なメリット

予防による医療費削減

定期健診により口腔疾患を予防することで、長期的な医療費を大幅に削減することができます。虫歯や歯周病が進行してから治療を受ける場合と比較して、予防的なアプローチははるかに経済的です。

例、重さの歯周病になって歯を削った場合、インプラント治療には数十万円の費用がかかります。ただし、定期健診により歯周病を予防できれば、このような高額な治療は不要になります。

治療期間の短縮

早期発見により、治療期間も大幅に短縮されます。小さな虫歯であれば1回の治療で完了しますが、進行した虫歯では根管治療や被せ物の創作など、複数回の治療が必要になります。

治療期間の短縮は、通院にかかる時間のコスト、仕事の欠勤による経済的損失の軽減にもつながります。

生活の質の向上

口腔機能の維持

定期健診により口腔疾患を予防することで、咀嚼機能、発音機能、審美性などの口腔機能を当面維持することができます。これらの機能は、食事の楽しみ、コミュニケーション能力、自信などに直接影響します。

特に高齢期において、口腔機能の維持は全身の健康維持、認知機能の維持にも重要な役割を担っています。「8020運動(80歳で20本以上の歯を守る)」の達成により、健康寿命の延長が期待できます。

心理的効果

定期健診により口腔の健康が維持されることで、口臭の心配がなくなり、自信を持って人とのコミュニケーションを楽しむことができます。また、美しい口元により、笑顔に自信が持てるようになります。

正しい健診間隔と継続の重要性

個別化された健診間隔

一般的には3~6ヶ月の間隔が推奨されますが、虫歯や歯周病のリスクが高い患者では、より頻繁な健診が必要になることもあります。

年齢、既往歴、現在の口腔状態、セルフケア能力、生活習慣などを総合的に評価し、最適な健診を設定します。

継続することの意義

定期健診は、継続することで初めてその効果を発揮します。一時的な健診では、その時点で問題は発見できても、継続的な健康管理はできません。

いずれ継続することで、個人の口腔の状態の変化を把握し、それに応じた正しい対応を一時することができます。また、患者と歯科医師・歯科衛生士との関係の構築により、より効果的な予防プログラムの実施が可能になります。

まとめ

歯科の定期健診は、歯の掃除ではなく、口腔疾患の予防から全身の健康維持まで、多面的な効果を持つ重要な医療行為です。虫歯や歯周病の早期発見・予防、口腔がんの早期発見、プロフェッショナルクリーニングによる口腔環境の改善、個別化された口腔衛生指導など、様々な要素が組み合わさって、含んだ口腔の健康管理を実現します。

「痛くなったら歯医者に行く」という考えから、「健康を維持するために歯医者に行く」という予防的な考え方への転換が、現代人のためです。 定期健診を継続することで、生涯にわたって重要な健康な口腔環境を維持し、豊かな人生を送ることができるのです。

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泉南市ほほえみ歯科りんくう院、是非、ご来院ください。