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泉南市ほほえみ歯科りんくう院のブログ

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春のストレスと歯ぎしりの関係

はじめに――「春になってから顎が痛い」は気のせいではない

「春になってから朝起きると顎がだるい」「最近、歯が妙にしみるようになった」「パートナーに歯ぎしりがひどくなったと言われた」——こうした変化に気づく方が、春の季節には増えます。歯ぎしりや食いしばりは、ストレスと密接な関係があることが広く知られています。そして春は、多くの方にとって人生の転換点となる変化が集中する、ストレスのかかりやすい季節です。

本記事では、春のストレスが歯ぎしりを引き起こすメカニズム、歯ぎしりが口腔と全身に及ぼす影響、そして対策について詳しく解説します。「自分は歯ぎしりしていない」と思っている方も、実は気づかないうちにしているケースが多いため、ぜひ最後まで読んでみてください。

歯ぎしり・食いしばりとは何か

歯ぎしりとは、上下の歯が接触した状態で横方向にこすり合わせる運動のことで、医学的には「ブラキシズム」と呼ばれます。就寝中に起こるものが多く、本人は気づいていないことがほとんどです。食いしばりは上下の歯を強く噛み締める動作で、日中でも無意識に行っていることがあります。

歯ぎしりは大きな音がする場合もありますが、音のない「クレンチング(食いしばり)」や、歯を前後左右に動かす「タッピング」なども含めてブラキシズムと総称されます。ブラキシズムは歯・顎・口腔周囲筋に大きな負担をかける行為で、通常の食事で発生する咬合力の数倍から十数倍の力がかかるとも言われています。本人が全く気づかないまま毎晩繰り返されるため、気づいたときには歯や顎に相当なダメージが蓄積していることも少なくありません。

春のストレスが歯ぎしりを増やすメカニズム

なぜストレスが歯ぎしりを引き起こすのでしょうか。そのメカニズムを理解するには、自律神経と睡眠の仕組みを知る必要があります。

ストレスがかかると、身体は「戦うか逃げるか」の準備として交感神経を活性化させます。交感神経が優位な状態では、筋肉が緊張しやすくなり、顎の筋肉(咬筋・側頭筋など)も例外ではありません。日中のストレスが解消されないまま就寝すると、睡眠中も脳や身体が完全にリラックスできず、無意識の歯ぎしりという形で緊張が発散されることがあります。

また、ストレスによって睡眠の質が低下することも関係しています。深い眠り(ノンレム睡眠)が不足すると、歯ぎしりが起きやすい浅い眠り(レム睡眠)の割合が増えます。春の新生活に伴う緊張や不安は、睡眠の浅さを引き起こし、結果的に歯ぎしりの頻度と強度を高める方向に働きます。

さらに、日中の食いしばりもストレスと連動しています。集中しているとき・緊張しているとき・プレッシャーを感じているときに、無意識に歯を食いしばる習慣がある方は多く、特に新しい仕事や学業に向き合う春のシーズンにこの傾向が強まります。

歯ぎしりが口腔に与えるダメージ

歯ぎしりが継続することで、口腔にはさまざまなダメージが蓄積していきます。

まず、歯の摩耗が進みます。歯ぎしりでは通常の咬合力をはるかに超える力がかかるため、歯の表面のエナメル質が徐々に削れていきます。エナメル質は一度失うと再生しないため、摩耗が進むほど象牙質が露出しやすくなり、知覚過敏(冷たいものや甘いものがしみる症状)が起きやすくなります。「春になってからしみやすくなった」という方の中に、歯ぎしりによるエナメル質の摩耗が背景にある場合があります。

次に、歯が割れたり欠けたりするリスクがあります。特に詰め物や被せ物のある歯・神経を取った歯は、歯ぎしりの圧力によって破折しやすい状態にあります。突然歯が欠けたという場合、歯ぎしりが原因のひとつである可能性を念頭に置く必要があります。

また、歯ぎしりは歯周病の悪化にも関与します。歯ぎしりによる過剰な力が歯を支える骨(歯槽骨)に伝わり続けると、骨の吸収が進みやすくなります。すでに歯周病がある方では、歯ぎしりによって進行が加速するケースもあります。

歯ぎしりが全身に与える影響

歯ぎしりの影響は口腔にとどまらず、顎・頭部・首・肩にまで及びます。

顎関節症はその代表的な合併症です。歯ぎしりや食いしばりによって顎関節への負担が蓄積すると、口を開けたときの痛みやクリック音(カクカクした音)、口が大きく開かないといった症状が現れます。朝起きたときに顎が痛い・こわばるという感覚がある方は、就寝中に歯ぎしりや食いしばりをしている可能性があります。

頭痛・肩こり・首の張りも、歯ぎしりと関連する症状として多く報告されています。顎の筋肉(咬筋・側頭筋)の過緊張は、頭部の筋肉や頸部の筋肉にまで連動して緊張を引き起こします。「春になってから頭が重い・肩がこる」という症状が歯ぎしりからきているケースは珍しくありません。

自分が歯ぎしりをしているかを確認する方法

歯ぎしりの多くは就寝中に起きるため、本人が気づきにくいことが特徴です。以下のセルフチェックを試してみてください。

起床時に顎の疲れ・こわばり・痛みを感じる場合や、朝から頭が重い・こめかみや頬の筋肉が張っている感じがある場合は歯ぎしりの可能性があります。また、歯の表面が平らになっている・歯が短くなってきた・詰め物が何度も外れる・歯が割れたことがあるといった経験がある方も要注意です。パートナーや家族に「歯ぎしりの音がする」と言われた経験がある場合は、ほぼ確実に歯ぎしりをしていると考えられます。

「いくつか当てはまる」という方は、歯科医師に相談することをおすすめします。口腔内の状態(歯の摩耗具合・咬合の状態・顎関節の動き)を確認することで、歯ぎしりの程度と影響を把握することができます。自己判断で放置せず、専門家の目でチェックしてもらうことが早期対策の第一歩です。

歯ぎしりへの対策と治療

歯ぎしりへの対処法として最も一般的なのが、マウスピース(ナイトガード)の使用です。就寝時に専用のマウスピースを装着することで、上下の歯が直接こすれ合うのを防ぎ、歯へのダメージを軽減することができます。マウスピースは市販品もありますが、歯科医院で個人の歯型に合わせて作製したものの方が、フィット感・効果・安全性のいずれも優れています。

日中の食いしばりには、意識的なリマインダーが効果的です。「歯を離す」「舌を口蓋(上顎)に軽くつける」という意識を持つことで、日中の食いしばり習慣を少しずつ改善できます。スマートフォンのアラームに「歯を離す」とメモをセットする方法も実践されています。

ストレスそのものへの対処も重要です。適度な運動・入浴・十分な睡眠・趣味の時間の確保など、日常の中でリラックスできる時間を意識的につくることが、夜間の歯ぎしりを減らす根本的なアプローチです。

まとめ――春の歯ぎしりサインを見逃さないで

春のストレスと歯ぎしりは密接につながっており、新生活特有の緊張感・睡眠の乱れ・日中の食いしばりが複合的に重なることで、歯や顎へのダメージが蓄積されやすい季節です。顎の疲れ・歯のしみ・頭痛・肩こりなど、身体のどこかに気になるサインがあれば、その背後に歯ぎしりが潜んでいる可能性を疑ってみてください。

早期に歯科医師に相談し、マウスピースなどの対策を始めることで、歯や顎への深刻なダメージを防ぐことができます。春という変化の多い季節を、口腔の健康にも目を向けながら過ごしていただければと思います。

患者様に寄り添い、丁寧で優しいケアを大切にする、怖くない、痛くない歯科医院です。
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