目次
はじめに
鏡を見たとき、歯ぐきが黒ずんでいることに気づいて驚いたことはありませんか。健康な歯ぐきは薄いピンク色ですが、様々な原因により黒くなることがあります。歯ぐきの黒ずみには、心配のいらない生理的なものから、早急に対処すべき病気のサインまで、様々な種類があります。メラニン色素の沈着、喫煙による着色、金属による着色、歯周病、血管の問題、稀に悪性腫瘍など、原因は多岐にわたります。黒ずみの原因を正しく理解し、必要に応じて適切な対処をすることが重要です。特に、急に黒い斑点ができた、範囲が広がっている、痛みや出血を伴うという場合は、早めに歯科医師や医師に相談すべきです。本記事では、歯ぐきが黒くなる主な原因、それぞれの特徴と見分け方、対処法、そして予防法について詳しく解説します。
原因1:メラニン色素沈着(生理的色素沈着)
最も多く、心配のいらない原因が、メラニン色素による生理的な沈着です。
メラニン色素は、皮膚や粘膜の色を決める色素です。肌の色が濃い人ほど、メラニン色素が多く、歯ぐきにも色素が沈着しやすいです。
生理的色素沈着の特徴は、両側対称に現れることが多い、境界が不明瞭である、痛みや出血などの症状がない、子どもの頃から徐々に現れることが多いなどです。
日本人の約30パーセント、肌の色が濃い人種では80パーセント以上に見られるとされており、非常に一般的です。
健康上の問題はまったくありません。病気ではなく、体質です。
ただし、審美的に気になる場合、レーザーや薬剤により色素を除去する治療があります。保険適用外の自費診療となりますが、比較的簡単な処置で改善できます。
原因2:喫煙による色素沈着(スモーカーズメラノーシス)
喫煙により、歯ぐきが黒ずむことがあります。
タバコに含まれるニコチンやタールなどの有害物質が、歯ぐきの粘膜を刺激します。その刺激に対する防御反応として、メラニン色素の産生が増加します。
スモーカーズメラノーシスと呼ばれるこの状態は、喫煙者の約20パーセントから30パーセントに見られます。
特徴は、前歯の歯ぐきに多い、不規則な形で現れる、喫煙歴に応じて濃くなる傾向があるなどです。
禁煙により、徐々に改善することがあります。ただし、完全に元に戻るには数年かかることもあり、完全には消えないこともあります。
喫煙は、色素沈着だけでなく、歯周病、口腔がん、全身の健康に深刻な影響を及ぼします。禁煙が最善の対策です。
原因3:金属による着色(メタルタトゥー)
歯科治療で使用した金属が溶け出し、歯ぐきに沈着することがあります。
銀歯(金銀パラジウム合金)、金属の土台(メタルコア)、アマルガム(水銀を含む古い詰め物)などから、金属イオンが溶け出します。
これが歯ぐきに沈着すると、灰色から黒っぽい色になります。メタルタトゥーと呼ばれます。
特徴は、金属の詰め物や被せ物の近くに現れる、境界が比較的はっきりしている、痛みなどの症状がない、片側だけに現れることが多いなどです。
健康上の問題はありません。金属が体内に溶け出す量はごくわずかで、全身への影響はほとんどありません。
審美的に気になる場合、外科的に除去することもできますが、簡単ではありません。予防するには、金属を使わない治療(セラミックなど)を選択することです。
原因4:歯周病による変色
歯周病が進行すると、歯ぐきの色が変化することがあります。
慢性的な炎症により血行が悪くなり、歯ぐきが赤黒くなったり、紫がかったりします。
また、歯周病により歯ぐきが下がり、歯の根が露出すると、根の表面が黒く見えることがあります。これは虫歯や色素沈着です。
歯周病による変色の特徴は、赤みや腫れを伴う、出血しやすい、口臭がある、歯がグラグラするなどの他の歯周病の症状があるなどです。
この場合、単なる色の問題ではなく、歯周病という病気のサインです。早急に歯科医院を受診し、治療を受ける必要があります。
原因5:血管の問題(血管腫、血腫など)
血管の異常により、歯ぐきが黒っぽく、または赤紫色に見えることがあります。
血管腫は、血管が異常に増殖してできる良性腫瘍です。赤から赤紫、黒っぽい色に見えます。
血腫は、外傷などにより血管が破れ、血液が溜まった状態です。打撲などの後に現れます。
これらは、押すと色が薄くなることがあります。痛みを伴うこともあります。
血管腫は、自然に消えることもありますが、大きくなる場合は治療が必要です。
血腫は、通常、時間とともに吸収され消えます。ただし、大きい場合や痛みが強い場合は、歯科医師に相談しましょう。
原因6:薬剤による変色
一部の薬剤により、歯ぐきが変色することがあります。
例えば、抗マラリア薬、一部の抗生物質、重金属を含む薬などです。
これらの薬を長期間服用すると、薬の成分が歯ぐきに沈着し、黒ずんで見えることがあります。
該当する薬を服用している場合、歯科医師に相談しましょう。薬の変更や中止が可能か、処方した医師と相談します。
原因7:悪性黒色腫(メラノーマ)
非常に稀ですが、口腔内に悪性黒色腫(メラノーマ)ができることがあります。
メラノーマは、メラニン色素を作る細胞(メラノサイト)ががん化したものです。皮膚にできることが多いですが、口腔粘膜にもできます。
口腔内メラノーマは、日本では年間約100例程度と稀ですが、非常に悪性度が高く、進行が速い病気です。
特徴は、黒い斑点が急速に大きくなる、境界が不規則でギザギザしている、周囲の組織に広がる、出血や痛みを伴うことがある、高齢者に多いなどです。
急に黒い斑点ができた、大きくなっているという場合は、すぐに口腔外科や皮膚科を受診しましょう。早期発見、早期治療が極めて重要です。
見分け方のポイント
歯ぐきの黒ずみが、心配のいらないものか、病気のサインかを見分けるポイントがあります。
心配のいらない可能性が高い ・子どもの頃から徐々にあった ・両側対称 ・境界が不明瞭 ・痛みや出血がない ・変化がない
早めに受診すべき ・急に現れた ・範囲が広がっている ・境界が不規則でギザギザ ・出血や痛みを伴う ・他の症状(歯のグラつき、口臭など)がある
判断に迷う場合は、自己判断せず、歯科医院を受診しましょう。
診断と治療
歯科医院では、どのように診断し、治療するのでしょうか。
問診 いつから黒ずんでいるか、変化はあるか、痛みや出血はあるか、喫煙歴、薬の服用歴、全身疾患の有無などを聞きます。
視診 歯ぐきの色、形、範囲、他の症状を詳しく観察します。
触診 歯ぐきを触り、硬さ、痛みの有無などを確認します。
必要に応じて検査 レントゲン撮影、組織検査(生検)、血液検査などを行います。特に、悪性腫瘍が疑われる場合は、組織検査が必須です。
治療 原因により異なります。メラニン色素沈着や金属による着色で、審美的に気になる場合は、レーザーや薬剤による除去、外科的除去などがあります。歯周病が原因の場合は、歯周病の治療を行います。悪性腫瘍の場合は、外科的切除、放射線治療、化学療法などを行います。
予防法
歯ぐきの黒ずみを予防するには、どうすればよいでしょうか。
禁煙 喫煙による色素沈着を防ぐため、禁煙が最も重要です。
適切な口腔ケア 歯周病を予防するため、毎日の丁寧な歯磨き、フロスの使用、定期検診を行います。
金属を使わない治療の選択 新しく歯科治療を受ける場合、可能であれば金属を使わない材料(セラミックなど)を選択します。
紫外線対策 口唇のメラノーマを防ぐため、リップクリームで紫外線対策をします。歯ぐきへの直接の影響は少ないですが、口腔全体の健康のためです。
定期的なセルフチェック 鏡で定期的に歯ぐきをチェックし、変化に早く気づきます。
まとめ
歯ぐきが黒くなる原因は、メラニン色素沈着、喫煙による着色、金属による着色、歯周病、血管の問題、薬剤、稀に悪性黒色腫などです。
多くは心配のいらない生理的なものや、健康上の問題がない着色ですが、中には早急に治療が必要な病気のサインもあります。
急に黒い斑点ができた、大きくなっている、出血や痛みを伴うという場合は、すぐに歯科医院や口腔外科を受診しましょう。
禁煙、適切な口腔ケア、定期検診により、予防できるものもあります。
自分の歯ぐきの状態を定期的にチェックし、変化に気づいたら、早めに専門家に相談することが大切です。
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