目次
はじめに
冬になると、冷たい空気を吸い込んだときや冷たい飲み物を口にしたときに、歯がキーンとしみる。このような経験はありませんか。実は、知覚過敏は冬に悪化しやすい症状です。「夏は平気だったのに、冬になると歯がしみる」という方は少なくありません。これは偶然ではなく、冬特有の環境や生活習慣が、知覚過敏を引き起こしたり悪化させたりするのです。気温の低下、空気の乾燥、食いしばりの増加、免疫力の低下など、様々な要因が関係しています。しかし、原因を理解し、適切な対策を講じることで、冬でも快適に過ごすことができます。本記事では、冬に知覚過敏が増える理由、そのメカニズム、そして効果的な予防・対処法について詳しく解説します。
知覚過敏とは
まず、知覚過敏について基本を理解しましょう。
知覚過敏は、正式には象牙質知覚過敏症といいます。歯の表面を覆うエナメル質が薄くなったり、歯茎が下がって歯根が露出したりすることで、内部の象牙質が刺激にさらされる状態です。
象牙質には、歯髄(歯の神経)につながる無数の小さな管(象牙細管)があります。この管を通じて、冷たさや熱さ、甘さなどの刺激が直接神経に伝わり、一時的な鋭い痛みを感じます。
知覚過敏の特徴は、刺激があるときだけ痛むことです。冷たいものを飲むとしみるが、飲み終わればすぐに痛みが消える、というパターンが典型的です。持続的な痛みはありません。
日本人の約3人に1人が知覚過敏を経験しているとされており、非常に一般的な症状です。
理由1:冷たい空気の影響
冬に知覚過敏が増える最も直接的な理由は、冷たい空気です。
冬の外気温は非常に低く、特に寒い地域では氷点下になることもあります。この冷たい空気を口から吸い込むと、歯が急激に冷やされます。
知覚過敏がある歯では、冷たい刺激が象牙細管を通じて神経に伝わり、痛みを感じます。特に、口呼吸をしている人や、会話が多い人は、冷たい空気が口の中に入る機会が多く、症状が出やすいです。
また、冬は冷たい飲み物を避けることが多いですが、逆に温かい飲み物を飲む機会が増えます。知覚過敏は、冷たいものだけでなく、熱いものにも反応することがあります。温度差が大きいほど、刺激が強くなります。
屋外と屋内の温度差も影響します。暖かい室内から寒い屋外に出たとき、急激な温度変化により歯が刺激を受けます。
理由2:空気の乾燥
冬の空気の乾燥も、知覚過敏を悪化させる要因です。
冬は湿度が低く、空気が乾燥します。さらに、暖房を使用することで、室内の湿度はさらに低下します。湿度が30パーセント以下になることも珍しくありません。
乾燥した空気を吸い込むと、口の中も乾燥します。唾液の分泌が減少し、口腔内が潤いを失います。
唾液には、口腔内を保護する重要な役割があります。歯の表面を覆い、刺激から守るバリアの役割を果たします。唾液が減少すると、このバリア機能が低下し、象牙質が直接刺激にさらされやすくなります。
また、唾液には再石灰化を促進する作用があります。初期のエナメル質の損傷を修復する働きです。唾液が不足すると、この修復機能も低下し、知覚過敏が悪化しやすくなります。
口呼吸の習慣がある人は、特に口腔乾燥が起こりやすく、注意が必要です。
理由3:食いしばりと歯ぎしりの増加
冬は、無意識の食いしばりや歯ぎしりが増える季節でもあります。
寒さにより体が緊張し、無意識に歯を食いしばることがあります。寒さに耐えようとして、顎に力が入るのです。特に、寒い屋外にいるときや、冷たい風に当たるときに起こりやすいです。
また、冬は日照時間が短く、気分が落ち込みやすい季節です。冬季うつ病(季節性情動障害)という病気もあります。ストレスや不安が増加すると、睡眠中の歯ぎしりや日中の食いしばりが増えます。
食いしばりや歯ぎしりにより、歯に強い力がかかります。エナメル質が摩耗したり、歯と歯茎の境目にくさび状の欠損(くさび状欠損)ができたりします。これにより、象牙質が露出し、知覚過敏が発生します。
既に知覚過敏がある場合、食いしばりにより症状がさらに悪化します。
理由4:免疫力の低下と歯周病
冬は免疫力が低下しやすく、歯周病が悪化することがあります。
寒さや日照不足により、体の免疫機能が低下します。風邪やインフルエンザにかかりやすくなるのも、このためです。
免疫力が低下すると、口腔内の細菌に対する抵抗力も弱まります。歯周病菌が活発になり、歯周病が悪化しやすくなります。
歯周病が進行すると、歯茎が下がり、歯根が露出します。歯根はエナメル質で覆われていないため、非常に刺激に敏感で、知覚過敏の症状が現れます。
冬は体調を崩しやすく、歯磨きがおろそかになることもあります。これも歯周病の悪化につながります。
理由5:鍋料理や温かい食べ物の摂取
冬ならではの食習慣も、知覚過敏に影響します。
冬は鍋料理や熱いスープ、温かい飲み物を摂取する機会が増えます。これらは体を温めてくれますが、知覚過敏がある歯には刺激になります。
熱いものを口にすると、象牙細管内の液体が膨張し、神経を刺激します。冷たいものと同様に、しみる痛みを感じます。
また、鍋料理には酸味のある食材(ポン酢、レモンなど)がよく使われます。酸は歯のエナメル質を一時的に軟化させ、知覚過敏を悪化させる可能性があります。
柑橘類も冬に旬を迎え、みかんやゆずなどを食べる機会が増えます。これらも酸性が強く、知覚過敏には注意が必要です。
対策1:口腔内の保湿
冬の知覚過敏対策として、口腔内の保湿が重要です。
こまめに水を飲み、口の中を潤しましょう。少量ずつ、頻繁に飲むことが効果的です。
室内では加湿器を使用し、湿度を50パーセントから60パーセントに保ちます。これにより、口腔内の乾燥を防げます。
唾液の分泌を促進するため、シュガーレスガムを噛むことも有効です。特にキシリトール配合のガムは、虫歯予防効果もあります。
鼻呼吸を心がけることも大切です。口呼吸の習慣がある人は、意識的に鼻で呼吸するようにしましょう。就寝時に口呼吸防止テープを使用する方法もあります。
対策2:温度刺激を避ける
温度刺激を最小限にする工夫も効果的です。
冷たい空気を直接吸い込まないよう、マスクやマフラーを着用しましょう。口元を覆うことで、冷たい空気が和らぎます。
温かい飲み物は、少し冷ましてから飲みます。熱すぎるものは避け、ぬるめの温度にします。
冷たいものと熱いものを交互に食べないようにします。急激な温度変化は、知覚過敏を強く刺激します。
外出から帰ったら、すぐに冷たいものや熱いものを口にせず、少し時間を置いてから飲食します。
対策3:知覚過敏用歯磨き粉の使用
知覚過敏用の歯磨き粉を使用することが、最も効果的な対策の一つです。
知覚過敏用歯磨き粉には、硝酸カリウムや乳酸アルミニウムなどの成分が含まれています。これらは象牙細管を塞ぎ、刺激が神経に伝わるのを防ぎます。
毎日使い続けることで、効果が現れます。即効性はないため、少なくとも2週間は継続して使用しましょう。
歯磨きの際は、柔らかい歯ブラシで優しく磨きます。力を入れすぎると、エナメル質や歯茎を傷つけ、知覚過敏を悪化させます。
フッ素入りの歯磨き粉も効果的です。フッ素は歯質を強化し、エナメル質の修復を促進します。
対策4:食いしばり対策
食いしばりや歯ぎしり対策も重要です。
日中、意識的に顎の力を抜きましょう。上下の歯が軽く離れている状態が正常です。集中しているときや寒さを感じたときに、食いしばっていないか確認します。
ストレス管理も大切です。適度な運動、十分な睡眠、リラクゼーション法などで、ストレスを軽減しましょう。
就寝時には、マウスピース(ナイトガード)の使用を検討します。歯科医院で作成してもらえます。歯ぎしりから歯を守り、知覚過敏の悪化を防ぎます。
寝室を適度に温かくすることも有効です。寒すぎると、無意識に体が緊張し、食いしばりやすくなります。
対策5:定期的な歯科検診
冬に限らず、定期的な歯科検診は知覚過敏対策に重要です。
3ヶ月から6ヶ月に一度、歯科医院でチェックを受けましょう。知覚過敏の原因を特定し、適切な治療を受けられます。
歯科医院では、より強力なフッ素塗布やコーティング剤の塗布を受けることができます。これにより、知覚過敏の症状を軽減できます。
歯周病がある場合は、治療を受けます。歯周病を改善することで、知覚過敏も改善することがあります。
くさび状欠損など、歯の形態的な問題がある場合は、レジン(プラスチック)で埋める処置を受けることもできます。
まとめ
冬に知覚過敏が増える理由は、冷たい空気、空気の乾燥、食いしばりの増加、免疫力の低下、温かい食べ物の摂取など、複数の要因があります。
口腔内の保湿、温度刺激を避ける、知覚過敏用歯磨き粉の使用、食いしばり対策、定期的な歯科検診などにより、冬でも快適に過ごすことができます。
知覚過敏は適切な対処により改善できる症状です。我慢せず、早めに対策を講じ、必要に応じて歯科医院を受診しましょう。
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