はじめに
電動歯ブラシに興味はあるけれど、種類が多すぎてどれを選べばよいか分からないという方は多いのではないでしょうか。家電量販店やオンラインショップを見ると、数千円から数万円まで、価格帯も幅広く、機能も様々です。回転式、音波式、超音波式といった駆動方式の違いや、圧力センサー、タイマー、アプリ連動などの多彩な機能に戸惑うこともあるでしょう。実は、電動歯ブラシは手磨きよりも効率的にプラーク（歯垢）を除去できることが多くの研究で証明されており、適切に使用すれば口腔ケアの強い味方になります。しかし、自分に合わないものを選んでしまうと、効果が得られないだけでなく、使わなくなってしまうことも。本記事では、電動歯ブラシの種類、選ぶ際のポイント、おすすめの機能について詳しく解説します。
電動歯ブラシのメリット
まず、電動歯ブラシを使用するメリットを確認しておきましょう。
高い清掃効率
電動歯ブラシは、1分間に数千回から数万回という高速振動や回転により、手磨きよりも効率的にプラークを除去できます。研究によると、電動歯ブラシは手磨きに比べて約21パーセント多くプラークを除去し、歯肉炎を約11パーセント減少させるという報告があります。
適切な圧力での磨き
手磨きでは、つい力を入れすぎて歯や歯茎を傷つけてしまうことがありますが、電動歯ブラシは軽く当てるだけで効果を発揮します。多くの機種には圧力センサーが搭載されており、力の入れすぎを防いでくれます。
時間管理が簡単
多くの電動歯ブラシには、2分間のタイマーや30秒ごとの振動で知らせる機能が付いています。これにより、推奨される時間しっかり磨くことができます。
磨き残しの減少
電動歯ブラシは、均一な動きで全体を磨けるため、磨き残しが少なくなります。手磨きでは届きにくい奥歯や裏側も効率的に清掃できます。
手の負担が少ない
手を細かく動かす必要がないため、握力が弱い方や、関節炎などで手の動きが制限される方でも、楽に歯を磨くことができます。
電動歯ブラシの種類
電動歯ブラシには、大きく分けて3つの駆動方式があります。
回転式（回転振動式）
丸型のブラシヘッドが回転しながら振動して、歯を1本ずつ包み込むように磨きます。強力な清掃力が特徴で、頑固なプラークもしっかり除去できます。
ただし、振動が大きいため、慣れるまで少し違和感を感じることがあります。また、歯茎が敏感な方は刺激が強いと感じる場合もあります。
代表的なブランドは、ブラウンのオーラルBシリーズです。
音波式（音波振動式）
ブラシヘッドが音波の振動（毎分約2万回から4万回）で高速に動き、プラークを浮かせて除去します。振動の力で唾液や水分を流動させ、ブラシが直接触れていない部分にも清掃効果が及びます。
回転式に比べて振動が穏やかで、歯茎への刺激が少ないのが特徴です。初めて電動歯ブラシを使う方や、歯茎が敏感な方におすすめです。
代表的なブランドは、フィリップスのソニッケアーシリーズやパナソニックのドルツシリーズです。
超音波式
音波式よりもさらに高い周波数（毎分約160万回以上）で振動します。超音波の力で、プラーク内の細菌同士の結合を破壊し、プラークを除去しやすくします。
振動が非常に微細なため、ほとんど振動を感じません。歯茎への刺激が最も少なく、歯周病の方や歯茎が非常に敏感な方に適しています。
ただし、ブラシを手で動かす必要があるため、手磨きに近い使い方になります。
電動歯ブラシを選ぶ際のポイント
自分に合った電動歯ブラシを選ぶためのポイントを解説します。
駆動方式
前述の通り、清掃力を重視するなら回転式、優しく磨きたいなら音波式や超音波式がおすすめです。初めて使う方は、刺激が少ない音波式から始めると良いでしょう。
ブラシヘッドのサイズと種類
ブラシヘッドは、小さめの方が細かい部分まで磨きやすく、日本人の口のサイズに合っています。
また、替えブラシの種類が豊富で、用途に応じて選べる機種がおすすめです。通常の清掃用、歯茎ケア用、ホワイトニング用など、目的別に使い分けられます。
バッテリーの持ち
充電式の場合、フル充電で何日使えるかを確認しましょう。1回の充電で2週間から3週間使えるものが一般的です。
旅行や出張が多い方は、バッテリーの持ちが良いものや、コンパクトな充電器が付属しているものを選ぶと便利です。
圧力センサー
力を入れすぎると自動的に振動を弱めたり、ランプで知らせたりする機能です。歯や歯茎を傷つけるリスクを減らせるため、特に初心者におすすめです。
タイマー機能
2分間のタイマーや、30秒ごとに磨く場所を変えるよう促すペーサー機能があると、適切な時間をかけて全体を均等に磨けます。
モードの種類
クリーニングモード、歯茎ケアモード、ホワイトニングモード、敏感モードなど、複数のモードが選べる機種もあります。口腔内の状態や目的に応じて使い分けられます。
ただし、機能が多すぎても使いこなせないこともあるため、自分に必要な機能を見極めましょう。
防水性能
お風呂で使いたい方や、水洗いでしっかりお手入れしたい方は、防水性能を確認しましょう。IPX7以上の防水等級があれば安心です。
アプリ連動機能
スマートフォンのアプリと連動して、磨き方をガイドしてくれたり、磨き残しを記録したりする機能を持つ機種もあります。
歯磨きのモチベーションを保ちたい方や、細かく管理したい方には便利ですが、必須の機能ではありません。
価格
電動歯ブラシの価格は、数千円から3万円以上まで幅広くあります。高価格帯の製品は多機能ですが、シンプルな機能の製品でも十分な清掃効果が得られます。
初めて購入する方は、1万円前後のミドルレンジの製品から始めるのがおすすめです。
替えブラシのコスト
本体価格だけでなく、替えブラシのコストも考慮しましょう。替えブラシは3ヶ月に1回交換が推奨されており、継続的にコストがかかります。
替えブラシが安価で入手しやすいブランドを選ぶことも、長期的には重要です。
おすすめの使い方
電動歯ブラシを効果的に使用するためのポイントです。
軽く当てる
電動歯ブラシは、軽く歯に当てるだけで効果を発揮します。力を入れる必要はありません。ブラシを歯に優しく当て、ゆっくりと移動させていきます。
歯1本ずつ丁寧に
回転式の場合は歯1本ずつ、音波式の場合は数本ずつ、ゆっくりとブラシを移動させます。急いで動かす必要はありません。
角度を意識する
歯と歯茎の境目に対して45度の角度でブラシを当てると、効果的に汚れを除去できます。
歯磨き粉の量は少なめに
電動歯ブラシは、歯磨き粉をほとんど使わなくても効果を発揮します。使用する場合は、米粒程度の少量で十分です。多すぎると泡立ちすぎて磨きにくくなります。
フロスや歯間ブラシも併用
電動歯ブラシも、歯と歯の間は完全には磨けません。デンタルフロスや歯間ブラシを併用しましょう。
電動歯ブラシのお手入れ
電動歯ブラシを清潔に保つことも重要です。
使用後は、ブラシヘッドを水でよく洗い、本体も拭いて乾燥させます。ブラシヘッドは3ヶ月に1回、または毛先が広がってきたら交換しましょう。
充電スタンドも定期的に掃除して、清潔に保ちます。
電動歯ブラシが向いていない人
以下のような場合は、電動歯ブラシの使用を控えるか、歯科医師に相談しましょう。
矯正装置を付けている方は、装置が外れる可能性があるため注意が必要です。ただし、矯正専用のブラシヘッドもあります。
重度の歯周病で歯茎が非常にデリケートな状態の方は、まず治療を優先し、歯科医師の指示に従いましょう。
まとめ
電動歯ブラシを選ぶ際は、駆動方式、ブラシヘッドのサイズ、バッテリーの持ち、圧力センサー、タイマー機能などを考慮しましょう。清掃力重視なら回転式、優しさ重視なら音波式がおすすめです。初心者は1万円前後のミドルレンジ製品から始めると良いでしょう。替えブラシのコストも忘れずに確認してください。電動歯ブラシは軽く当てるだけで効果を発揮し、手磨きより効率的にプラークを除去できます。圧力センサーやタイマーなどの機能を活用し、正しく使用することが大切です。フロスや歯間ブラシとの併用も忘れずに。自分に合った電動歯ブラシを選んで、効果的な口腔ケアを実現しましょう。
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