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泉南市ほほえみ歯科りんくう院のブログ

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タバコと歯周病の深い関係

はじめに

タバコが健康に悪いことは広く知られていますが、特に口腔内、とりわけ歯周病に対して深刻な影響を及ぼすことをご存知でしょうか。喫煙者は非喫煙者に比べて歯周病になるリスクが数倍高く、さらに症状が重くなりやすく、治療効果も得られにくいという三重苦を抱えています。歯周病は日本人が歯を失う最大の原因であり、進行すると全身の健康にも影響を及ぼす深刻な病気です。タバコを吸っている方で歯茎の健康が気になる方、歯周病と診断された方は、禁煙を真剣に考える必要があります。本記事では、タバコがなぜ歯周病を悪化させるのか、そのメカニズムを科学的に解説し、禁煙による改善効果についても詳しくご紹介します。

タバコが歯周病を引き起こすメカニズム

タバコが歯周病を悪化させる理由は、一つではありません。複数のメカニズムが複雑に絡み合って、口腔内環境を悪化させます。

血流の悪化

タバコに含まれるニコチンは、血管を収縮させる作用があります。歯茎の毛細血管が収縮すると、酸素や栄養素が十分に届かなくなり、歯茎の健康が損なわれます。

また、血流が悪いと、免疫細胞が炎症部位に到達しにくくなり、細菌と戦う力が低下します。これにより、歯周病菌が繁殖しやすい環境になります。

免疫機能の低下

タバコの煙には数千種類もの化学物質が含まれており、その多くが有害です。これらの物質は、口の中や全身の免疫機能を低下させます。

免疫力が落ちると、歯周病菌に対する抵抗力が弱まり、感染しやすくなります。また、一度感染すると治りにくくなります。

唾液の分泌減少

喫煙は唾液の分泌を減少させます。唾液には、口の中を洗い流す自浄作用、細菌の繁殖を抑える抗菌作用、組織の修復を助ける作用などがあります。

唾液が減少すると、これらの防御機能が低下し、歯周病が進行しやすくなります。また、口臭の原因にもなります。

歯茎の組織の変化

タバコの成分は、歯茎のコラーゲン線維を破壊し、組織の修復を妨げます。歯茎が弱くなり、細菌の侵入を防ぐバリア機能が低下します。

また、喫煙者の歯茎は硬く線維化しやすく、炎症があっても腫れにくいという特徴があります。これは一見良いことのように思えますが、実際には問題です。

症状が見えにくくなる

血流が悪いため、炎症があっても歯茎が腫れにくく、出血もしにくくなります。そのため、歯周病が進行していても気づきにくく、発見が遅れることが多いのです。

歯周病の典型的なサインである「歯磨き時の出血」や「歯茎の腫れ」が現れにくいため、喫煙者は自分が歯周病だと気づかないまま、静かに病気が進行していきます。

喫煙者の歯周病の特徴

喫煙者の歯周病には、非喫煙者とは異なる特徴があります。

重症化しやすい

喫煙者は、非喫煙者に比べて歯周病が重症化しやすい傾向があります。研究によると、喫煙者は非喫煙者に比べて歯周病になるリスクが2倍から8倍高いとされています。

また、同じ治療を受けても、喫煙者の方が治りにくく、予後も悪いことが分かっています。

骨の吸収が進みやすい

喫煙者では、歯を支える骨の吸収が急速に進みます。骨が溶けると歯がグラグラになり、最終的には抜歯が必要になります。

タバコの本数が多いほど、また喫煙期間が長いほど、骨の吸収は進みやすくなります。

歯周ポケットが深くなりやすい

喫煙者は、歯と歯茎の間の溝である歯周ポケットが深くなりやすい傾向があります。深い歯周ポケットは細菌の温床となり、さらに歯周病を悪化させる悪循環を生みます。

歯石が付きやすい

タバコのヤニは歯の表面に付着しやすく、ザラザラした表面にはプラークや歯石がさらに付きやすくなります。特に歯の裏側に茶色や黒っぽい頑固な歯石が付着します。

治療効果が得られにくい

喫煙者は、歯周病の治療を受けても効果が得られにくいことが問題です。血流が悪く、組織の修復能力が低下しているため、治療後の回復が遅くなります。

また、外科的な治療を行った場合も、傷の治りが悪く、感染のリスクも高くなります。

タバコの本数と歯周病のリスク

タバコの本数が多いほど、歯周病のリスクは高まります。

1日10本未満の喫煙でも、非喫煙者に比べてリスクは約3倍になります。1日20本程度の喫煙では約5倍、それ以上では7倍から8倍にもなると報告されています。

また、喫煙期間が長いほど、累積的なダメージが大きくなります。若い頃から喫煙を続けている方は、特に注意が必要です。

受動喫煙の影響

タバコの害は、吸っている本人だけでなく、周囲の人にも及びます。

受動喫煙にさらされる人も、歯周病のリスクが高まることが分かっています。特に子どもや配偶者など、長時間受動喫煙の環境にいる人への影響は深刻です。

家族に喫煙者がいる場合、その家族も歯周病のリスクが高まるため、家族全員の口腔ケアが重要になります。

電子タバコや加熱式タバコの影響

近年普及している電子タバコや加熱式タバコについても、口腔内への影響が懸念されています。

これらの製品は従来のタバコに比べて有害物質が少ないとされていますが、ニコチンは含まれており、血管収縮や免疫機能への影響は避けられません。

まだ長期的な研究データが少ないため、完全に安全とは言い切れません。歯周病予防の観点からは、これらの製品も避けるべきです。

禁煙による改善効果

良いニュースは、禁煙することで歯周病のリスクが大幅に低下することです。

禁煙後の変化

禁煙すると、血流が改善し、免疫機能が回復していきます。その結果、歯周病の進行が止まり、治療効果も得られやすくなります。

禁煙後数週間で、歯茎の血流が改善し始めます。数ヶ月経つと、免疫機能がかなり回復します。1年から2年経つと、非喫煙者とほぼ同じレベルまでリスクが低下すると言われています。

治療効果の向上

禁煙することで、歯周病治療の効果が格段に向上します。組織の修復能力が回復し、治療後の回復も早くなります。

歯科医師からも、歯周病の治療を受ける際には禁煙が強く推奨されます。禁煙なしでは、どんなに優れた治療を受けても効果が限定的になってしまいます。

歯を失うリスクの低下

長期的に見ると、禁煙することで歯を失うリスクが大幅に低下します。将来的に自分の歯で食事を楽しめる可能性が高まります。

禁煙の方法とサポート

歯周病を改善するためには、禁煙が不可欠ですが、ニコチン依存症は強力で、自力で禁煙するのは簡単ではありません。

禁煙外来の活用

医療機関の禁煙外来では、医師のサポートのもと、禁煙補助薬を使用しながら計画的に禁煙を進めることができます。保険適用の条件を満たせば、比較的低額で治療を受けられます。

ニコチンパッチやニコチンガム、飲み薬などを使用することで、禁煙の成功率が大幅に向上します。

歯科医院でのサポート

歯科医院でも、禁煙のサポートを行っているところが増えています。歯周病治療と並行して禁煙指導を受けることで、モチベーションを保ちやすくなります。

定期的に口の中の改善を実感できることが、禁煙を続ける励みになります。

段階的なアプローチ

いきなり完全に禁煙するのが難しい場合は、まず本数を減らすことから始めるのも一つの方法です。ただし、最終的には完全禁煙を目指すことが重要です。

禁煙開始日を決めて、周囲に宣言することも効果的です。家族や友人のサポートを得ることで、成功率が高まります。

歯周病治療と禁煙のタイミング

理想的には、歯周病の治療を始める前に禁煙することが望ましいです。禁煙してから治療を受ける方が、効果が得られやすくなります。

ただし、治療を先延ばしにするのは避けるべきです。治療と禁煙を同時に始めることも十分に意味があります。

歯科医師と相談しながら、最適なタイミングを決めましょう。

まとめ

タバコは歯周病の最大の危険因子の一つです。血流の悪化、免疫機能の低下、唾液の減少など、複数のメカニズムで歯周病を悪化させます。喫煙者は非喫煙者に比べて歯周病になるリスクが2倍から8倍高く、重症化しやすく、治療効果も得られにくい特徴があります。しかし、禁煙することで歯周病のリスクは大幅に低下し、治療効果も向上します。禁煙後1年から2年で、非喫煙者とほぼ同じレベルまでリスクが低下します。歯周病を改善するためには、禁煙が不可欠です。禁煙外来や歯科医院のサポートを活用して、禁煙に挑戦しましょう。健康な歯と全身の健康のために、今日から禁煙を始めませんか。

 

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