歯科医がすすめる電動歯ブラシの使い方:効果を最大限に引き出すコツ

目次
はじめに
電動歯ブラシは、手磨きよりも効率的に歯垢を除去できる便利なツールとして、多くの方に使用されています。高速振動や回転により、手磨きでは実現できない清掃力を発揮します。しかし、電動歯ブラシを使っていても、正しい使い方を知らないと、その効果を十分に得られません。間違った使い方をすると、歯や歯茎を傷つけてしまうこともあります。「電動歯ブラシを使っているのに虫歯ができた」「歯茎が下がってきた」という方は、使い方に問題があるかもしれません。電動歯ブラシと手磨きの歯ブラシでは、磨き方が異なります。手磨きの感覚で使うと、かえって逆効果になることもあります。この記事では、歯科医がすすめる電動歯ブラシの正しい使い方について、電動歯ブラシの種類と選び方、基本的な使い方、部位別の磨き方のコツ、やってはいけないこと、メンテナンス方法、そして電動歯ブラシと手磨きの併用について詳しく解説します。正しい使い方をマスターして、電動歯ブラシの効果を最大限に引き出しましょう。
電動歯ブラシの種類
電動歯ブラシには、主に三つのタイプがあります。
回転式
ブラシヘッドが円形で、左右に回転します。歯を包み込むように磨けます。強力な清掃力がありますが、使い方を間違えると歯茎を傷つけやすいです。
音波式
毎分約3万回程度の高速振動により、音波を発生させて歯垢を除去します。振動が優しく、歯や歯茎への負担が少ないです。最も一般的なタイプです。
超音波式
毎分約160万回以上の超高速振動により、超音波を発生させます。歯垢を浮かせて除去します。非常に優しい磨き心地ですが、価格が高めです。
電動歯ブラシの選び方
ブラシヘッドのサイズ
自分の口の大きさに合ったサイズを選びましょう。小さめのヘッドの方が、奥歯まで届きやすいです。
機能
タイマー機能、圧力センサー、複数のモードなど、便利な機能が搭載されているものがおすすめです。
替えブラシの入手しやすさ
替えブラシが手軽に入手できるメーカーを選びましょう。
価格
数千円から数万円まで幅広くあります。最初は中価格帯のものから始めるのが良いでしょう。
電動歯ブラシの基本的な使い方
歯磨き粉の量
電動歯ブラシは泡立ちが良いため、歯磨き粉は米粒大程度の少量で十分です。つけすぎると、泡で口の中が見えなくなります。
ブラシの当て方
電動歯ブラシは、手磨きのようにゴシゴシと動かす必要はありません。歯に軽く当てるだけで、電動歯ブラシが仕事をしてくれます。
歯に対して45度の角度で当て、歯と歯茎の境目にブラシの毛先が届くようにします。
力加減
軽く当てるだけで十分です。力を入れすぎると、歯や歯茎を傷つけます。多くの電動歯ブラシには、圧力センサーが搭載されており、強く押しすぎると教えてくれます。
動かし方
電動歯ブラシは、基本的に動かさず、歯に当てるだけです。ゆっくりと歯から歯へ移動させます。一つの歯に2秒から3秒程度当てます。
手磨きのようにゴシゴシと横に動かすのは逆効果です。
磨く順番
磨き残しを防ぐため、順番を決めて磨きましょう。例えば、上の歯の表側を右奥から左奥まで、次に裏側、噛む面、そして下の歯も同様に、という順番です。
磨く時間
1日2回、1回2分から3分程度が目安です。多くの電動歯ブラシには、30秒ごとに振動で知らせるタイマー機能があります。これにより、口腔内を4分割(上下左右)し、均等に磨けます。
部位別の磨き方のコツ
歯の表面
歯の表面に対して垂直に当て、ゆっくりと移動させます。
歯と歯茎の境目
45度の角度で当て、歯周ポケットにブラシの毛先が届くようにします。歯周病予防に重要な部分です。
歯の裏側
特に下の前歯の裏側は歯石が溜まりやすい場所です。ブラシを縦に持ち、丁寧に磨きます。
噛む面
噛む面に対して垂直に当て、溝の部分もしっかり磨きます。
奥歯
ブラシヘッドが小さめのものを選ぶと、奥歯まで届きやすいです。頬を膨らませて、ブラシが入るスペースを作ります。
歯と歯の間
電動歯ブラシでは、歯と歯の間は完全には磨けません。デンタルフロスや歯間ブラシを併用しましょう。
やってはいけないこと
ゴシゴシと動かす
手磨きの感覚で、電動歯ブラシを大きく動かすのは間違いです。歯や歯茎を傷つけます。
強く押し付ける
力を入れすぎると、歯茎が下がったり、エナメル質が削れたりします。
濡れたまま保管
使用後、濡れたままケースに入れたり、キャップをしたりすると、雑菌が繁殖します。
長期間替えブラシを交換しない
毛先が開いたブラシは、清掃効果が低下します。3ヶ月に1回は交換しましょう。
家族でブラシヘッドを共有
衛生上、ブラシヘッドは個人専用にしましょう。
電動歯ブラシのメンテナンス
使用後の手入れ
使用後は、ブラシヘッドを水でよく洗い、水気を切ります。本体に水がかかりすぎないよう注意します。
乾燥
ブラシヘッドは、風通しの良い場所で乾燥させます。濡れたまま密閉すると、雑菌が繁殖します。
ブラシヘッドの交換
3ヶ月に1回、または毛先が開いたら交換します。替えブラシには交換時期を示すインジケーターが付いているものもあります。
本体の手入れ
本体は、濡れた布で拭きます。水洗いできるものもありますが、説明書を確認しましょう。
充電
充電式の場合、充電台に立てて保管します。バッテリーを長持ちさせるため、完全に放電させてから充電するのが良いとされています。
電動歯ブラシと手磨きの併用
電動歯ブラシだけで完璧に磨けるわけではありません。手磨きの歯ブラシやデンタルフロスと併用しましょう。
デンタルフロス
歯と歯の間は、電動歯ブラシでは磨けません。1日1回、就寝前にデンタルフロスを使用しましょう。
歯間ブラシ
歯と歯の間に隙間がある場合は、歯間ブラシも使用しましょう。
手磨きの歯ブラシ
細かい部分や、電動歯ブラシが届きにくい部分は、手磨きの歯ブラシで補いましょう。
電動歯ブラシが向いている人
手磨きが苦手な人
適切なブラッシングが難しい方は、電動歯ブラシにより効率的に磨けます。
忙しい人
短時間で効率的に磨けます。
矯正装置をつけている人
矯正装置の周りの清掃に効果的です。ただし、専用のブラシヘッドを使用しましょう。
手の力が弱い人
高齢者や、関節炎などで手の力が弱い方に適しています。
歯周病の方
歯周ポケットの清掃に効果的です。ただし、優しく使用しましょう。
電動歯ブラシの注意点
初めは優しいモードから
電動歯ブラシに慣れていない方は、まず優しいモードから始めましょう。
知覚過敏がある場合
知覚過敏がある方は、優しいモードを使用するか、手磨きと併用しましょう。
子どもの使用
子ども用の電動歯ブラシもありますが、小学校高学年くらいまでは、保護者が仕上げ磨きをしましょう。
電動歯ブラシでも定期検診は必要
電動歯ブラシを使っていても、完璧に磨けるわけではありません。3ヶ月から6ヶ月に1回、歯科検診を受け、磨き残しをチェックしてもらい、プロフェッショナルなクリーニングを受けましょう。
電動歯ブラシの費用対効果
電動歯ブラシは初期費用が高いですが、長期的には虫歯や歯周病を予防でき、治療費を削減できます。また、替えブラシの費用も考慮しましょう。
まとめ
歯科医がすすめる電動歯ブラシの使い方は、歯磨き粉は米粒大程度、歯に軽く当てるだけで動かさない、力を入れすぎない、45度の角度で歯と歯茎の境目に当てる、磨く順番を決める、1回2分から3分磨くことです。部位別には、表面は垂直に、歯と歯茎の境目は45度に、裏側は縦に持って、噛む面は垂直に当てます。やってはいけないことは、ゴシゴシ動かす、強く押し付ける、濡れたまま保管、長期間替えブラシを交換しないことです。メンテナンスは、使用後に水洗いして乾燥、3ヶ月に1回替えブラシを交換します。デンタルフロスや歯間ブラシと併用しましょう。電動歯ブラシは効率的ですが、定期検診も必要です。正しい使い方で効果を最大限に引き出し、健康な歯を守りましょう。
お子様にもおすすめ!怖くない、痛くない、安心して通える、優しいスタッフと楽しい雰囲気の歯科医院です。
泉南市ほほえみ歯科りんくう院、是非、ご来院ください。



