寝る前の歯磨き、ここに注意!:就寝前のケアで虫歯を防ぐ

目次
はじめに
1日の中で最も重要な歯磨きのタイミングをご存知ですか。それは、就寝前です。朝食後の歯磨きも大切ですが、実は就寝前の歯磨きの方が、虫歯や歯周病の予防において重要な役割を果たします。なぜなら、就寝中は唾液の分泌が大幅に減少し、口腔内の自浄作用が低下するためです。唾液には、口腔内を洗浄し、細菌の繁殖を抑え、歯を再石灰化する働きがあります。就寝中にこの働きが弱まると、細菌が爆発的に増殖し、虫歯や歯周病のリスクが高まります。朝起きたとき、口の中がネバネバする、口臭が気になるという経験は、誰にでもあるでしょう。これは、就寝中に細菌が増殖した証拠です。しかし、就寝前に適切な歯磨きをしていても、間違った方法では効果が半減します。この記事では、寝る前の歯磨きで注意すべきポイント、正しい磨き方、フロスの使い方、うがいの方法、そして就寝前にやってはいけないことについて詳しく解説します。就寝前の正しいケアで、口腔の健康を守りましょう。
なぜ寝る前の歯磨きが重要なのか
唾液の分泌減少
就寝中は、唾液の分泌が日中の約3分の1から10分の1程度に減少します。唾液の自浄作用、抗菌作用、再石灰化作用が低下し、細菌が繁殖しやすい環境になります。
細菌の爆発的増殖
唾液が減少すると、虫歯菌や歯周病菌が爆発的に増殖します。起床時の口腔内には、便器の水と同程度かそれ以上の細菌がいると言われています。
長時間のケアの空白
就寝から起床までは、通常6時間から8時間程度です。この間、口腔ケアができないため、就寝前の状態が長時間続きます。
酸の産生
食べかすや歯垢が残っていると、細菌が糖分を餌にして酸を産生し、歯を溶かします。就寝中は唾液による中和が期待できないため、虫歯が進行しやすくなります。
寝る前の歯磨きの基本
タイミング
夕食後すぐではなく、就寝の直前に磨くのが理想的です。夕食後に磨いても、その後に何か食べたり飲んだりすれば、意味がありません。
時間をかけて丁寧に
就寝前の歯磨きは、1日の中で最も丁寧に行うべきです。最低でも3分、できれば5分程度かけて、すべての歯の表面、裏面、噛む面を磨きましょう。
磨く順番を決める
磨き残しを防ぐため、順番を決めて磨きましょう。例えば、上の歯の表側を右奥から左奥まで、次に裏側、噛む面、そして下の歯も同様に、という順番です。
力を入れすぎない
力を入れすぎると、歯や歯茎を傷つけます。歯ブラシは鉛筆を持つように軽く持ち、優しく磨きましょう。
歯ブラシの角度
歯ブラシは歯に対して45度の角度で当て、歯と歯茎の境目にブラシの毛先が届くようにします。
小刻みに動かす
大きく動かすのではなく、小刻みに振動させるように磨きます。1本から2本ずつ、丁寧に磨きましょう。
デンタルフロスや歯間ブラシの使用
必須のステップ
歯と歯の間は、歯ブラシだけでは磨けません。虫歯や歯周病の多くは、歯と歯の間から始まります。就寝前は必ず、デンタルフロスや歯間ブラシを使用しましょう。
使うタイミング
歯磨きの前に使用するのが効果的です。歯と歯の間の汚れを先に除去してから、歯磨きをすることで、より効果的に清掃できます。
デンタルフロスの使い方
40センチメートル程度のフロスを切り、両手の中指に巻き付けます。親指と人差し指で1センチメートルから2センチメートル程度のフロスをピンと張り、歯と歯の間にゆっくりと入れます。歯の側面に沿わせて、上下に動かして汚れを除去します。すべての歯の間を清掃します。
歯間ブラシの使い方
歯と歯の間に隙間がある場合は、歯間ブラシが適しています。自分の隙間のサイズに合ったブラシを選び、歯と歯の間に入れて、前後に動かします。
うがいの方法
少量の水で1回
歯磨き後のうがいは、少量の水(15ミリリットル程度、大さじ1杯程度)で1回だけ、軽く口をすすぐ程度にとどめましょう。
なぜ少ないうがいが良いのか
歯磨き粉に含まれるフッ素を口の中に残すことで、歯の再石灰化を促進し、虫歯を予防できます。何度もうがいをすると、フッ素が流れてしまいます。
うがいをしない方法も
一部の国では、うがいを全くしない方法が推奨されています。歯磨き後、泡や唾液を吐き出すだけです。抵抗がある方も多いでしょうが、最もフッ素を残せる方法です。
歯磨き粉の選び方と使い方
フッ素入り歯磨き粉
フッ素濃度1450ppm程度の歯磨き粉がおすすめです。虫歯予防に効果的です。
適量
成人の場合、1センチメートルから2センチメートル程度が適量です。
研磨剤
ホワイトニング効果をうたった歯磨き粉は、研磨剤が多く含まれていることがあります。毎日使用すると、エナメル質を傷つける可能性があるため、週に数回程度にとどめましょう。
舌のケア
舌苔の除去
舌の表面に付着する舌苔も、細菌の温床です。就寝前に、舌ブラシや舌クリーナーで除去しましょう。
優しく
舌は傷つきやすいため、優しく撫でるように清掃します。奥から手前に向かって動かします。
マウスウォッシュの使用
補助的に使用
歯磨きとフロスの後、補助的にマウスウォッシュを使用することも効果的です。抗菌作用のあるマウスウォッシュにより、細菌の繁殖を抑えられます。
アルコールフリー
アルコール入りのマウスウォッシュは、口腔内を乾燥させることがあります。アルコールフリーのものを選ぶとよいでしょう。
うがいをしない
マウスウォッシュ使用後は、水でうがいをしないことで、効果が持続します。
就寝前にやってはいけないこと
歯磨き後の飲食
歯磨き後に何か食べたり飲んだりすると、せっかくのケアが台無しになります。歯磨き後は、水以外は口にしないようにしましょう。
甘い飲み物
就寝前に甘い飲み物や牛乳を飲むと、虫歯のリスクが高まります。どうしても飲みたい場合は、その後に歯を磨きましょう。
アルコール
アルコールは口腔内を乾燥させます。就寝前の大量飲酒は避けましょう。
喫煙
タバコは歯周病の最大のリスク要因です。特に就寝前の喫煙は避けましょう。
口腔内の乾燥対策
水分補給
就寝前にコップ1杯の水を飲むことで、就寝中の口腔乾燥を軽減できます。
加湿器
寝室に加湿器を置くことで、口腔内の乾燥を防げます。
口呼吸を避ける
口呼吸は口腔内を乾燥させます。鼻呼吸を心がけましょう。鼻づまりがある場合は、マウステープを使用したり、耳鼻咽喉科で治療を受けたりしましょう。
歯ぎしり・食いしばり対策
ナイトガード
歯ぎしりや食いしばりの癖がある方は、ナイトガード(マウスピース)を使用することで、歯を守れます。
ストレス管理
歯ぎしりや食いしばりは、ストレスが原因のことが多いです。リラックスする時間を持ち、十分な睡眠を取ることが大切です。
子どもの寝る前の歯磨き
仕上げ磨き
小学校低学年までは、保護者による仕上げ磨きを続けましょう。就寝前は特に丁寧に行います。
楽しい習慣に
歯磨きを嫌がる子どもには、歌を歌いながら、好きなキャラクターの歯ブラシを使うなど、楽しい習慣にする工夫をしましょう。
フッ素の活用
子ども用のフッ素入り歯磨き粉を使用し、適量を守りましょう。
高齢者の寝る前の歯磨き
より丁寧に
高齢者は唾液の分泌が少なく、口腔内が乾燥しやすいため、就寝前のケアがより重要です。
義歯のケア
入れ歯を使用している場合は、就寝前に外して洗浄し、水に浸けて保管します。
口腔保湿剤
口腔内が乾燥している場合は、就寝前に口腔保湿剤を使用すると効果的です。
就寝前の歯磨きを習慣化するコツ
時間を決める
毎日同じ時間に歯を磨くことで、習慣化しやすくなります。
場所を決める
洗面所だけでなく、テレビを見ながら、お風呂に入りながらなど、磨きやすい場所を見つけましょう。
アラームを設定
スマートフォンのアラームで、歯磨きの時間を知らせるようにしましょう。
まとめ
寝る前の歯磨きは、虫歯や歯周病予防において最も重要です。就寝中は唾液の分泌が減少し、細菌が増殖しやすくなるためです。就寝直前に、3分から5分かけて丁寧に磨き、デンタルフロスや歯間ブラシを必ず使用しましょう。うがいは少量の水で1回だけにとどめ、フッ素を口の中に残します。舌のケアも忘れずに行います。歯磨き後は水以外は口にせず、甘い飲み物、アルコール、喫煙を避けましょう。口腔内の乾燥対策として、水分補給、加湿器の使用、鼻呼吸を心がけます。歯ぎしりがある場合はナイトガードを使用しましょう。子どもは仕上げ磨きを、高齢者はより丁寧なケアと義歯の管理を行います。習慣化するには、時間と場所を決め、アラームを設定しましょう。就寝前の正しいケアで、口腔の健康を守りましょう。
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